●消費税滞納の原因は、赤字企業による消費税分のネコババ?

 ではなぜ消費税の滞納解消は、なかなか進まないのか?

 消費税は販売先から預かった税金を納めるという性格の税金なので、赤字が出ても払わなければならない。仕入段階で仕入れ先に消費税分を支払っているので、売上高から仕入高を差し引いた差額に5%をかけた金額が、納めなければならない消費税額になる。

 だが、消費税は年4回に分けて納税するルールになっているので、売上代金を回収してから消費税の納付期限までタイムラグが生じる。この間に販売先から預かったはずの消費税分が、その会社の資金繰りに使われてしまうのだ。

 半年ほど前、筆者がとある地方の中小企業経営者と世間話をしていたとき、消費税率引き上げのことが話題になった。この経営者は「今でさえ経営が苦しくて消費税を納められないのに、8%に上がったら会社が倒産する」と言うのだ。

 この発言に筆者は少々かちんと来た。販売先に請求した販売代金のうち、消費税分は人から預かったお金であって、その会社のものではない。消費税を納めていないということはネコババと同じではないか。

 8%に上がっても消費税を納めないのなら、今までよりも3%分多くネコババできる金額が増える。そこで、「それはネコババと同じではないか? 今ですら納められないのに8%に上がったら納めるというわけではないだろう。ネコババできる額が増えるのだからラッキーではないか」と言ったら、この経営者は「資金繰りが苦しいから払いたくても払えないだけなのに、ネコババだなんて言い方はひどすぎる。経営の苦しさなんてお前にはわからない」と言って烈火の如く怒った。

 だが、消費税分を上乗せしてこの会社に支払いをしている側は、代わりに納税してもらうつもりで上乗せしているのであって、この会社の資金繰りに役立ててもらおうと思って上乗せしているわけではない。ゆえにこの行為は、どう言い訳してもネコババだ。

●税率アップでネコババされる滞納税額も上昇?

 実際、消費税率が3%から5%に上がった影響が最初に表れた97年度の消費税滞納の新規発生額は、前年度の3919億円から一気に4525億円に上昇。続く98年度は7249億円にハネ上がった。99年度以降は年々下がり、03年に5000億円を切ったが、消費税率アップの影響が出る14年度、15年度もまた、滞納の新規発生額が大幅に増える可能性がある。

 消費税収入は現在約10兆円。現在の滞納額は、このうちの4.5%程度だ。消費税収は税率を1%上げると2兆円の増収になるというから、3%アップだと16兆円くらいになる。そのうちの4.5%が滞納するとすれば、滞納税額はまたもや7000億円台に逆戻りしてしまう。

 回収を強化してネコババをやめさせるべきだというのが正論ではある。だが、滞納者は基本的に赤字の中小企業だ。なんとか資金繰りが回っているだけで、支払う余力があるわけではない。強制執行を試みるにしても、執行対象となる資産など土台持ち合わせてはいない。

 他の税金に比べて消費税滞納の解消ペースが緩慢なのは、赤字でも納税義務が発生し、しかも滞納者には支払うだけの資力がないからだろう。

 赤字に喘ぎ、結果消費税を滞納する中小企業に対して、税務署は回収を強化せよとはとてもじゃないが言えない。さりとてネコババには釈然としないものも残るのである。

Business Journal 一部抜粋

『ネコババ』とはなかなか過激な発言。
私の考えでは

まず法人



売上 105円
給与 100円

の場合納める税金は5円。
残金は0円


しかし消費税の増税がされた場合、給与の増額という形で最終の消費者に対する補填をするのは法人。



売上 108円
給与 101円(1円増額)

の場合納める税金は8円
残金は-1円

このような事が企業単位で起こるので滞納されるのでは?
これらを考えると『ネコババ』発言は腑に落ちない。

文責 山下