企業の健康保険の負担が増やす方向での検討が進んでいるようです。

【日本経済新聞より】

厚生労働省は現役世代の保険料で75歳以上の高齢者の医療費の約4割をまかなう支援金制度について、
加入者の平均給与が高い健康保険の負担を増やす方向で検討を始める。早ければ2013年度にも実施する。
給与水準が低い中小企業従業員が加入する協会けんぽの負担軽減が狙いだが、
大企業の健保組合と公務員共済は多くが負担増となる。
厚労省は年金や医療、介護の分野で保険料負担を重くする案を相次ぎ打ち出しており、
景気や雇用への悪影響が懸念されている。

 高齢者の医療費は患者負担を除く部分の約5割を国や市町村などの税収、約4割を現役世代からの支援金、
約1割を高齢者自身の保険料でまかなっている。
現在は支援金の3分の1を加入者の平均収入に連動して負担額を決める「傾斜配分」とし、
残りの3分の2は加入者数に連動した額を徴収している。今回の見直しでは全体を傾斜配分とする。

 制度見直しは健康保険組合、協会けんぽ、共済が対象。
自営業者や無職者の加入が多い国民健康保険は、所得の把握が難しいため対象外とする。

 平均年収が252万円以上の健康保険の加入者は負担増となる。
加入者の平均年収が600万円の健康保険の場合は、労使合計の負担額が月額4500円程度増える。
逆に年収が150万円の健保の加入者は、月1500円程度の減額となる。

 厚労省は24日開く社会保障審議会の医療保険部会に案を提示する。
高齢者医療制度の見直しや国民健康保険の財政基盤強化などとあわせて、傾斜配分の拡大の議論を進める。
ただ、負担増となる企業などの反対は避けられない。

 制度見直しは昨年末にまとめた高齢者医療制度改革にも盛り込まれたが、
70〜74歳の高齢者の窓口2割負担への民主党内の反発などで改革自体が頓挫し実現しなかった。
今年6月に決まった社会保障と税の一体改革案に高齢者医療制度の見直しが盛られたため、議論を再開する。

 厚労省は40〜64歳の現役世代が支払う介護保険料(介護納付金)についても、
来年度から傾斜配分の仕組みを導入する方針だ。
増え続ける社会保障費の負担を企業にばかり求めることには「所得の再分配は税でやるべきだ」などの批判が根強い。
保険料負担が増えれば個人消費を冷え込ませ、企業の雇用意欲が落ち込む恐れもある。

文責:原沢由美