■出向に係る労働保険

(1)労災保険

  出向労働者は出向先の指揮命令を受けて労働していますので、出向先事業所の労働者として
 労災保険が適用になります。
  出向労働者の賃金を出向元が支払うことがありますが、この場合であっても、出向元が
 支払った出向労働者の賃金を出向先の賃金総額に含めて保険料を申告、納付する義務があります。
  また、保険給付の基礎となる給付基礎日額は、過去3ヶ月間の平均賃金をもって算出されますが、
 出向者については、出向先及び出向元から支払われた賃金を合算して算出することとなります。

(2)雇用保険

  出向労働者は出向先と出向元の2つの雇用関係を有していますが、雇用保険は資格取得等の手続き が必要となるので、両方の事業所の被保険者になることはできません。
  実務上、出向労働者がその生計を維持するために必要な主たる賃金を受けている方の雇用関係に
 ついてのみ被保険者となります。

  @出向元で継続して被保険者となる場合
   もともと出向元で雇用保険の資格取得手続きがされています。その場合、出向にあたっては、
  特に手続きの必要はありません。

  A出向先で被保険者となる場合
   出向先が主たる賃金の支払先となる場合には、出向元で資格喪失届を提出し、出向先で資格取  得届を管轄のハローワークに提出しなければなりません。
   なお、資格喪失区分は「離職以外の事由」として取り扱われ、離職証明書を作成する必要は
  ありません。

文責:中山 亜希子